2007年01月22日

どっちかは眠ってしまう宿命?

さて、土曜日久しぶりに能と狂言を観てまいりました!
狂言は、『素襖落し』
結構有名な演目です。私も期待して観ておりました。
しかし、しかし、眠ってしまったのです(ど〜ん)
能を観に行くときは睡眠不足ではならぬ、という鉄則を破ってついつい夜更かしをした所為なのか。
いえいえ、もちろん全部眠っていたわけではありません。
後半はしっかり起きて、笑えるところは笑ってきました。しかし、やっぱりちょっと悔しい。

休憩時間にコーヒーを飲んでばっちり眼を覚まし、気合を入れなおして後半の能鑑賞!
前半眠って、後半も眠っていたのでは何の為にきたのかわからん!高いお金払って能囃子のバックミュージックを聴きながら眠りにきたのではないわい!

さて、後半の能は『二人静』
ストーリーは、菜摘女にある女が自分の供養をしてほしいと頼みます。菜摘女がそのことを神主に告げると、その菜摘女に先程の女が憑いて、自分は義経の愛妾の静だと告げます。神主はもし本当なら舞を舞って見せろといいます。
そしてできたら静だと認めて供養をしようと言うのです。
そこで、静の憑いた菜摘女が舞い始めると、本当の静の霊も現れて一緒に舞います。
やがて舞い終えると霊は去っていきます。

という話なのですが、何と言ってもこの眼目は、二人の全く同じ装束を着た菜摘女と静の霊が同時に同じ舞をすることにあるのです。

面をつけた演者は視野が極端に狭いので、隣りの演者を視野の端に入れることはおそらくほとんどできないでしょう。
そんな二人が、見えない自分以外の演者の動きを全身で感じながら、張り詰めた緊張感の中で舞われる舞は、能の醍醐味でした。
この、きん、と張り詰めた緊張感こそ能だわ〜。

シテは一応静の霊なのですが、静が憑く菜摘女もほとんど同格の演者がやります。というか劣った役者では無理。肉体的には出ずっぱりの菜摘女の方がキツイと思うし。
今回私も印象に残ったのは、シテの方ではなくて、菜摘女を演じた方でした。
立ち姿が美しく、品があり、謡の発声がよく、舞の後でも朗々と聞かせてくれました。

能の場合、シテというのは、普通の演劇の主役とういうのとは少し違うのでしょうね。シテの科白が一番多いとは限らないし、出番が多いとも限らない。
おそらく役の格というようなものがあるのでしょう。

さて、前半で不覚にも意識を失ってしまったおかげか、能は眠気が兆すこともなく、しっかりばっちり鑑賞することができました!

ところで、この時の能管がいっそう(漢字が出てこないの〜)幸弘という方なんです。
この人はスゴイ!というダンナご推奨の方です。
能管だけでなく、リコーダーの名手でもあるらしいのです。(ジャズの方々とも能管で共演しているそうな)
この方、能管でクラシックも吹けちゃう、本当に自由自在らしい。

というわけで現在能管の第一人者と言っても過言ではない方らしいのです。が、小柄で細身。とても肺活量が人並み外れてあるとは思えないんです。
ところが、吹いている姿はもう、余裕綽々。プロのピアニストがアマチュアの合奏団に合わせているような。そんな感じさえしました〜。

実際、ダンナによると笛を吹くのに肺活量は絶対条件ではないらしい。というのも複式呼吸で息は出すので肺活量で全部きまるもんではないのね。

しかし私は吹く度に酸欠になって、頭痛がして、結局だめでした。
みまさん、ならないのかしら?


posted by 越後海月(えちごくらげ) at 00:31| Comment(5) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
久しぶりです。二人静のところの説明は臨場感があって、門外漢の私にも解った気がします。見えない演者の動きを全身で感じながら・・・・・スゴイ!
能管のほうは、林豊寿という能管製作者の「幽玄の音をきざむ」というビデオを持っていますが、製作から演奏まですごい気迫を感じさせられます。一噌幸弘さんは古典の枠にとどまらず国内外で活躍されているようですね。きっと凛とした雰囲気を醸した演奏だったのでしょね。生で聴けて良かったですね。
前半の居眠りはお愛嬌!
Posted by 水彩色鉛筆 at 2007年01月22日 20:40
こんにちは、水彩色鉛筆様!
『二人静』の二人の演者は、さすがに全くずれない、というわけにはいかないのですが、それでも見事だと思いました。洋楽のダンスと違ってすごく合わせにくいと思うんですよ。
シテ役の方をお目当てに行ったのですが、菜摘女の役が印象に残ってしまいました。でも、パンフを読むと、どちらも素晴らしい役者のようでしたね。

能管は私は脇正面の席だったので、残念ながら吹いている表情とかはそんなに見えなかったのです。ただ、真っ赤になって一生懸命吹いている、というふうには見えなくて、もう、軽くこなしている、という感じに見えたんです。
私の耳がもう少しよければ、もっといろいろ感じられたでしょうが、まあ、しょうがないですね。
能管製作者のビデオがあるのですか。
そういえば、何かの番組で能管(だったと思うのですが)は、竹を細く割ってそれを裏返して、つまり外皮が笛の内側になるようにして作っているのを見たことがあるのですが、能管って大変なのですね。
水彩色鉛筆様も楽器製作者として笛に興味がおありなんですか?
Posted by 越後海月 at 2007年01月22日 23:20
お早うございます。
能管製作者のビデオですがDVDで宜しければダビングしてお送りいたしますよ。ご主人がお詳しいようですので参考になるのでは?メールにて送付先等をご連絡頂ければ用意いたします。
Posted by 水彩色鉛筆 at 2007年01月23日 09:45
こんにちは。コメントをありがとうございました。
今回の舞台は、梅若六郎さんと大槻文蔵さんが素晴らしいのはもちろんでしたが、囃方のお三方もよかったです。若手でしたし(笑)
素襖落の時、実は私もちょっと睡魔に襲われそうになったんですよ。意識が飛びそうになった時に終わったので、危うく難を逃れました。
これからもお邪魔させてくださいね〜。
Posted by 市丸 at 2007年02月02日 14:12
早速いらしてくださってありがとうございます。
年に1,2回しか観にいけないのですが、それだからこそ、よいものを観られると嬉しいです!
狂言で睡魔に襲われることはめったにないのですが、今回はだめでした。満腹になると絶対眠ってしまうからと昼食もぬいて行ったのに…。
でも、そのおかげで『二人静』をばっちり鑑賞できましたから、まあ仕方がないと。
こちらこそ、お邪魔させていただきますね。
Posted by 越後海月 at 2007年02月02日 16:46
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二人静のシンクロニズム
Excerpt: 毎年楽しみにしている「能楽座」に夫と出かけてきました。 今年私たちが観たのは、狂言「素襖落」と能「二人静」。特に二人静は1月7日に起こる話なので、まずまず時期的にも合っているし、梅若六郎さんと大槻文..
Weblog: 城下町の町屋暮らし
Tracked: 2007-02-02 14:02